売る – 「空き家問題」とは何か

戸建住宅の需要がある(買い手がいる)場合

 

① 誰に売るか

・知り合い(親族や近所の方)に売る場合

例)敷地を買い足したい隣接地の方に売却する

 

・第三者に売る場合

第三者に売却する場合は、一般的には不動産業者を通じて買い手を探します。
インターネットの不動産ポータルサイト等を活用して、全国規模で物件案内を出すことができます。

 

② どのような状態で売るか

ア)そのままの状態で売る

その物件のある地域で、戸建住宅の需要がある場合にはそのままで売却することができます。また、空き家であった期間が短く、建物がそれほど傷んでいない場合には、特にリフォームをせずに売却することも可能です。

 

イ)リフォームして売る

戸建住宅の需要はあるが建物の傷みが激しい場合や、設備が古い場合は、そのままで売るよりもリフォームしてから売るという方法もあります。

※リフォームせずに売る場合は、以下のことにご注意ください。
  • 買い手がその建物を購入後、自分でリフォームして居住しようと考えている場合は、リフォーム費用を考慮して、その分安く購入しようとします。
  • 買い手が「空き家」を取り壊し、新しく建物を再築することを前提として買う場合は、買い手は更地としての価格から建物の取壊し費用を差し引いた額までが、予算の限度額になります。したがって、この場合は更地価格より安くなければ売れません。

 

ウ)更地にして売る

建物が老朽化しているなどして、買い手がつかない場合は、建物を解体し更地にして売却することも選択肢の一つです。購入希望者が敷地を下見に来た際に、古い空き家が残っていると、その土地を見たときのイメージが悪くなる場合もあります。建物を解体して更地にした状態で、売却したほうがよいでしょう。建物の解体費用、廃材の処分費用も、忘れずに予算に入れる必要があります。

 

エ)貸してから売る

「貸してから売る」という方法もおすすめです。
空き家に入居者をつけて「収益不動産」にしてから売却する方法です。

近年は、昔ながらの「大家さん」のほかに、いわゆる「サラリーマン大家さん」が増えています。サラリーマンとして企業に勤め、月々の給与を得るほかに、アパートや貸家を所有し、の賃料を収入源にするケースです。

これらの「サラリーマン大家さん」は、その土地や建物の相場価格よりも、その不動産からどれくらいの収益が得られるかを重要視しています。したがって、これらの「サラリーマン大家さん」に物件を売却したい場合は、空き家に入居者をつけた状態のほうが、売買契約が成立しやすくなります。

例えば、中古戸建住宅が400万円程度で売られている地域で、空き家を賃貸する場合、家賃5万円で入居者をつけると、月々5万円×12カ月=年間60万円の賃料収入となります。
この状態で500万円で売りに出せばこの貸家の利回りは12%ですので、12%の利回り物件になります。

このように場合によっては空き家(戸建住宅)のまま売却するよりも、入居者をつけてから売ったほうが高く売れることもあります。

 

③ 売るときにかかる費用

・不動産業者が仲介する場合は、不動産業者への仲介手数料

※一般的には (売却価額)×3%+6万円 (400万円以上の物件の場合)

  • 印紙税

 

④ 売却後の注意点(税金等)

  • 不動産を取得した価格より高く売却した場合は、その利益分(不動産譲渡所得)に対して所得税がかかります。

 

※不動産譲渡所得とは

(売却額)-(取得額)=譲渡所得×税率=所得税

 

  • 建物を取得した価格より高く売る場合は課税されます。
  • その不動産を取得した時の売買契約書等がなく、取得費用が分からない場合は、取引額の5%を取得費用とすることになっています。つまり、取引額の95%が譲渡益とみなされてしまいますので、ご注意ください。

  • 譲渡所得(譲渡益)に対して、短期譲渡であれば約41%、長期譲渡であれば約22%の譲渡税が課されます。
  • 所有期間の減価償却費は取得額から控除されます。

 

売家の需要がない(買い手が少ない)場合

⑤ 価格を下げる

需要が少ない場合は、売却価格を下げれば買い手がつく可能性が高くなります。

 

⑥ 貸してから売る

戸建住宅として売却しても買い手がつかない場合は、前述のように、「貸してから売る」ことができます。まず賃貸物件として古家に入居者をつけ、収益物件にした後に、投資家に売却する方法です。

地方の場合、一般的に、戸建住宅も土地価格も相場が低いため、都市部ほどは高い価格で売却することは難しいものです。しかし、周囲に賃貸借物件が無い場合には、逆に予想に反して高い賃料で入居者がつくことがあり、その場合には「投資対象」として投資家が喜んで買うこともあります。あきらめずに、いろいろな可能性を考えてみましょう。

★ハッピー・ライフ・ネットワークは、地域の皆さまの生活設計や空き家相談のご相談にのり、適切な専門家をご紹介して、皆さまの安心・安全をサポートします。

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